初級・中級の電子工作キット製作を始められる方を想定し、最低限揃えたい道具について解説しています。選択の参考になさって下さい。
はんだごて
はんだごては、はんだを加熱して溶かすものですが、加熱能力はワット数で表されます。ワット数が大きいほど、大きい部品や太い電線などの熱容量の大きいものをはんだできます。
大きな部品の無い初級・中級のキットでは、ニクロムヒーターで20~30W、セラミックヒーターで15~20Wが最適でしょう。
ただし、チップ部品があるキットには、チップ部品用と表記のあるはんだごてを使いましょう。
さて選定ですが、とりあえず一度電子工作を体験したい方や予算をかけたくない方には、下のはんだこてをおすすめします。
セラミックヒーターはニクロムヒーターよりも温度が下がった時の回復が早いので、こて先の温度が安定して、電子部品を何個もはんだ付けする電子工作キットに向いています。
ある程度電子工作を続けていきたい方や予算に余裕がある方(3千円以上)には、温度調整式のはんだこてをおすすめします。
温度調整式はこて先の温度を変える事ができて、その温度を電子制御で保つので、多くの部品に対応できるのと、作業性がとても良いです。温度が上がりすぎない事で、部品やはんだを加熱しすぎることがなく、はんだ不良が起こりにくくなります。
おすすめのモデルは HAKKOのFX600 です。コンセントプラグの種類が2種類あるので注意して選んで下さい。下は一般的な平型プラグです。
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こて先
こて先にはいくつかの形状があり、大抵のはんだごては付け替えることができます。(ニクロムヒーターのこては実質、種類は選べない)
こて先は、はんだ付けする部品によってある程度最適なものが決まっています。
電子工作でよく使うリード部品(足を基板の穴に差し込んではんだ付けする部品)には、
B形かC形が最適です。
B形は鉛筆の形です。方向性がなく使いやすいですが、部品との接触面積が小さくなるので加熱性が劣ります。
C形はB形の先を斜めにカットした形で、方向性がありますが、部品との接触面積を大きく取れるので加熱性が良いです。また、太いので熱を多く蓄えることができ、スイッチや太い電線など、熱を多く必要とする部品でもはんだ付けがしやすいです。
上のはんだごてで「HAKKO DASH セラミックヒーターはんだこて」の「3C型こて先付き」のモデルをおすすめしているのはこのためです。
はんだ
最近では鉛を含まない鉛フリーはんだも増えてきましたが、趣味の電子工作では鉛ありの方が利点が多いです。
太さは、初級・中級のキットには0.8mmか1mmが使いやすいです。私は細めの0.8mmが好みです。トランス等大きい部品や、太い配線をはんだする場合はもっと太いはんだを使います。逆に、チップ部品やICなど小さい部品にはもっと細い0.5mmか0.6mmを使います。
というわけで、下のものがおすすめです。
こて台
こて台は結構重要です。
はんだごての金属部分の温度は数百度にもなり、触れば簡単にヤケドしますし、触れるものによっては発火の危険性もあります。
はんだごてセット等に含まれるワイヤーや金属板でこて先を支えるタイプは、こてを置いているだけですので、取り扱いに慣れていない方は不意にコードを引っ掛けたりした時に外れやすく危険です。ですので、しっかりした重さの台があり、こて先をしっかり保持できるタイプのものをおすすめします。基本的に、はんだごてと同じメーカーのものが良いと思います。
スポンジには水を含ませて使いますが、あまりヒタヒタにならない程度、ほどよく湿った状態がベストです。
HAKKOのモデルなら
はんだ吸い取り線
はんだを網線に吸い取るもので、はんだを付け過ぎて隣の部品とくっついたり、加熱しすぎて劣化したはんだを除去する時などに使います。
下のような、口金付きで幅3mm程度のものが使いやすいです。
ニッパー
はんだ付け後の部品の足を切る道具です。小型で鉄線に対応しているものを選びましょう。とりあえずは100円ショップのものでOKでが、1,500円程度出せば長く使えて、作業性、仕上がりも良いでしょう。私は下のニッパーを使っていますが、良く切れて快適です。
下のような飛散防止タイプは、切った足が飛んでいかないので便利です。
タイマーコンセント
はんだごては、当たり前ですがコンセントにつなぐとずっと加熱状態のままで、かつ加熱状態であることが見た目でわかりにくいです。
その為、作業後に切り忘れることも考えられ、子供が触ってヤケドしたり、火災のもとになる危険性もあります。
私も切り忘れたまま日をまたいでヒヤッとした事があり、それ以来、下のようなタイマー付きコンセントで使用しています。